音楽室から流れる

合唱曲

たぶん曲はアヴェマリア

あたしは紺色の制服

黄色いリボンが胸に咲く

初々しい黒髪だった


肌蹴る季節が嫌いだった

いつも長袖のブレザーで

ポケットに隠していた剃刀は

あたしだけの秘密


誰かを愛しくも想えず

誰かに愛しいとも想われず

あのホールの椅子が空いてれば

ずっと座って現実逃避


あの頃に読んだ本の内容

あの頃のあたしは理解出来ないのに

今のあたしは理解できてしまう

それはあたしが汚れた証拠


モノクロワールド

二度と戻らないのに

あの時のあたしが

こんなにも愛しいのは何故


ヘイトザワールド

あれほど苦しかったのに

あの制服が似合う儘で居たかったと

泣き喚くあたしが居るのは何故


−おいてきぼり

くらったな、また

どんどんススンデイク

ツカンデルひまもなく−


グッパイワールド

涙流して登った坂道

情景も夕景も痛い足も

全部覚えているのに

涙の理由だけ思い出せないのは何故


サヨナラワールド

死にたくたって死ななかった

独りだって辛くなかった

それに比べて弱すぎるあたし

何故?


モノクロワールド
グッパイワールド
サヨナラワールド

ヘイトザワールド