第一唱

舞台:少女の夢の中

夢の中で観たのは、とても、「可愛い」だとか「きれい」とか、

「今時の女の子」とか、丸で思えない姿で

意味もなくヴェリィショウトの髪を弄っておどおどしていた

私より3つくらい年上の女の子だった。

長いスカート、制服はサイズが身体より大きくて

お下がりだってことが丸わかりだった。おまけに短い白い靴下。

そしてなんだか悲しくなるほど自身がなさげで

下を向いてる、ひどい猫背だし。

むしむし暑くて、制汗スプレーのにおいが立ち込めた狭い教室

その女の子はスプレーのにおいまで気を遣って「無香料タイプ」

ヴァレーボウルの授業の後だった。

その女の子はちっともうまくスパイクが決まられず

周りのクラスメイトに失笑されていた。

ジャージ姿もぱっとしない。

次の授業は、班でまとまってやる科目で

その女の子は、一人のリーダー的なクラスメイトの前でおどおどし始め

会話に混ざれず、俯いていた。

目に涙を浮かべていた。

リーダー的な女の子は

そんな俯いた様をみて、冷ややかに笑っていた。

それでも俯いたまま、吐き気を催したらしく

先生に訴え、保健室に逃げ込んでいた。

保健室の先生は、

またか、という顔で苦笑いした。

女の子が思っていることが伝わった。

「この中学校は地獄よりも荒れ腐っている。」


目が覚めた。わたしは、3年後に中学校入学を控えている。

夢の中の女の子が、自分のような気がして怖くなった。

再び、寝ようとしてもリアルすぎるその夢の残像が浮かぶばかりだった。


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