第二衝
舞台:パソコンのある部屋

最近、妹がちょっとおかしい。

中学校の緑色のどぎつい、ジャージ姿で帰ってきて、通学かばんを放り投げるなり

家族兼用のパソコンを陣取っては、離れない。

3時間以上パソコンで延々文章を打っている。

こっそり後ろから見たら、ずっと誰かとメール交換をしているようだった。

「秘密」と書いて置いてある他人のノートを誰もいないときにこっそり覗きたくなる時のあの

意味もなく湧き上がる好奇心と似たような感情が妹のメール相手に対しても沸いてきた。

俺は妹が委員会で遅くなり、俺が早く学校が終わったときに、

パソコンを起動し、メールボックスを開いた。

部屋にはヴーンという、低い機械音が響いている。

xxxxxxxx@decome.ne.jp

ひとつの携帯電話からのメールでいっぱいだった。

いけないと思いつつも、最初のころのメールを開き、読んでみた。

「東京に住む」「妹より一学年上の男子」「音楽の趣味が似ている」

そんなことが読んでわかってしまった。

そしてさすがにこれで最後にしようと覗き見したメールに、俺はドキッとした。

相手からのメール

『(妹の名)ちゃんは、リストカットとかしてる?

僕は何回かしてるよ♪』

そしてそれに対しての返信

『リストカットはまだないんだ〜。

でも興味あるから今度やってみようと思う(^O^)/』


いやな予感がした。

見てはいけないものを見た気がして、パソコンを閉じた。

「ただいま」

妹の声にドキッとした。


3ヵ月後春休みに妹は、東京の友達に会いに行くといって家を出た。

誰に会うのか、一発でわかってしまう俺がいた。

いやな、予感がした。




b | n