第三傷
舞台:東京都渋谷区原宿

僕は長い電車に揺られ、原宿駅に降り立った。

今日、寒い地域の田舎から、僕に会いに、メル友の女の子がここに来るそうだ。

11時頃に僕はついたが、その子はもう原宿駅についているそうだ。

「駅、着いたよ。」

短文で送る。するとすぐ帰ってきた。

「どこ?それっぽい人いないよ?」

「表参道口のほう。スヌーピーショップの前、かな。」

なにやら僕は出口を間違えたらしい。

約束では竹下通り口だったのだが、出方がわからず、此方に出た。

竹下通り口にいるその子は、

「今からそっちに行く」

というメールをよこした。

僕もちょっと緊張している。

約100メートル位の坂を上って、その子は表参道口にやってきた。

黒い四角い携帯を覗きながら、

歩く、パンクバンドシャツに黒いミニスカート、縞々のタイツという

パンクロックな格好の女の子が、そのこだとすぐにわかった。

「(メル友の名前)ちゃんだよね?

僕です。…はじめまして、かな?」

僕は声をかけた。

彼女はびくっと身体を振るわせた。

「あ、うん…はじめまして。」

彼女は緊張していた。すごく。

とりあえず竹下通りに向かって、歩き始めた。

メールよりも口数が少ない彼女にちょっととまどった。

さらに僕は、せっかくメル友が会いにきているのに

街の雑踏のどこかに、「君」の姿を探していた。

僕が好きな女の子、「君」

原宿が好きだという「君」

お昼は「君」がお勧めしたパスタ屋で食べた。

彼女は相変わらず口数が少なくて、食欲もなさそうだった。

彼女は通学用のバックが欲しいといった。

ラフォーレ原宿のロックショップでいいものを見つけたらしく

買っていた。

エレヴェータで二人きりになったとき

彼女の緊張感が増した。

時間がたって、途中まで一緒の電車に乗って、帰ることになった。

帰りの電車で、彼女は

何かを僕に言いたげだった。が、あえて僕はそれをやんわりと拒否し続けた。

「じゃ、また、メールでね。」

そういって分かれた彼女は頷いた。ちょっと涙を溜めていた。


数日後

ちょっと予想していたが

彼女からメールで告白を受けた。

僕は、断った。「君」が好きだから。


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